経験記述「工程管理」の書き方と、遅れを取り戻す措置の例
工程管理は、令和8年度の経験記述で設問2に出たテーマです。「工程会議を開いた」「作業員を増やした」だけで終わると点になりません。何が原因で何日遅れ、どの措置で何日取り戻したのかを、数字でつなげて書くのがコツです。
令和8年度はどう聞かれたか
令和8年度は、設問1の安全管理と同じ工事について、設問2で工程管理を書く形でした。令和6年度からはこの「1つの工事で2テーマ」の形が続いています。安全で書いた現場の状況と、工程で書く状況がつながっていると、答案全体に説得力が出ます。
答案の組み立て
| 書くこと | 中身 |
|---|---|
| 現場の状況 | 工期、主な工種と数量、工程を圧迫した原因(降雨、地中障害物、関係機関との協議、材料の納期など) |
| 技術的な課題 | 「何の作業を、何日までに終わらせる必要があったか」を1つにしぼる |
| 検討した項目と理由 | 班を増やす、機械を変える、工法を変える、作業の順番を変える、などを比べた理由 |
| 対応処置 | 実際にやったことを、日当たり施工量や日数が入った文で |
| 評価 | 何日短縮でき、工期内に終わったか。品質・安全への影響がなかったことも一言 |
遅れの原因と措置の組み合わせ
工程の措置は、大きく「1日にできる量を増やす」「同時に進める」「作業そのものを減らす」の3つに分けられます。
| 考え方 | 措置の例 | 答案に入れる数字 |
|---|---|---|
| 1日の量を増やす | 作業班を1班から2班にする。バックホウを大きい機種に替える、台数を増やす | 日当たり施工量(m、m³)の変化 |
| 同時に進める | 工区を分けて並行作業にする。待ち時間のある作業の間に別の作業を入れる | 短縮した日数 |
| 作業を減らす | 現場打ちをプレキャスト製品に替える。型枠をシステム型枠にする | 省けた工程と日数 |
| 止まる時間を減らす | 雨の日も進められるよう上屋を設ける。材料を前倒しで発注する | 減った休工日 |
班や機械を増やすと、作業帯が狭くなり接触の危険が増えます。「2班体制にしたため、班ごとに作業範囲を区画した」のように、工程の措置で生じる危険への対策を一文添えると、安全管理の設問とも筋が通ります。
答案例とNG例
下水道管の開削工事で、地中障害物の撤去により12日遅れた場面を例にします。
①残り延長80mの管布設は、1班体制の日当たり8mから、2班体制の日当たり14mに増やし、工区を上流側と下流側に分けて並行して施工した。
②人孔3基は、現場打ちから組立式のプレキャスト人孔に変更し、1基あたりの施工日数を5日から2日に短縮した。
③2班が近接する区間では、班ごとに作業範囲をカラーコーンで区画し、重機の旋回範囲が重ならないようにした。
毎週の工程会議で進捗を確認し、作業員を増員して遅れを取り戻した。
NG例は、何日遅れて、増員で1日あたり何ができるようになったのかがわかりません。原因、遅れの日数、措置、取り戻した日数がひと続きで読めるように書きます。
工程表のうち、作業の順序と所要日数から工期を決める経路を明らかにし、遅れが工期に直結する作業を把握できるのは 式工程表で、その経路を という。
工程表の種類は、記述や穴埋めでもよく問われます。
覚え方
工程の文は数字が多く、白紙で書くと数字だけ抜けがちです。暗記するときは、数字の入った部分から先に空欄にして、数字と単位を確実に書けるようにします。安全管理の文と同じ工事の数字(延長、台数、工期)を使い、2つの文で数字が食い違わないかも確かめておきます。